帯電微粒子水「nanoe(ナノイー)」を含んだスチームの乾燥肌に対する検証

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ニュースリリース2009年

2009年7月29日
帯電微粒子水「nanoe (ナノイー)」(※1)を含んだスチームの乾燥肌に対する有用性を検証
〜第27回日本美容皮膚科学会総会・学術大会(※2)(2009年8月開催)で発表〜

 パナソニック電工株式会社では、多くの女性にとって大きな悩みである、加齢に伴う「乾燥肌」の 原因が肌のバリア機能の低下から生じることに着目しました。 マイナスに帯電した帯電微粒子水 (以降、帯電微粒子水と称す)を施術することで、肌バリア機能の改善に関与する遺伝子の発現が増加し、肌バリア機能の改善効果を裏付けることを甲南大学 西方教授(略歴は後掲)と共に検証・ 確認しました。

   この結果は、2009年8月1日開催の第27回 日本美容皮膚科学会総会・学術大会で発表予定です。


※1    当社では、帯電微粒子水を「nanoe(ナノイー)」と呼称しています。
※2    日本美容皮膚科学会:美容皮膚科学に関する研究およびその研究成果の普及、ならびに会員相互の交流を はかることを目的として研究活動を行っている学会。

■ 検証方法

三次元表皮モデル(※3)(J‐TEC社製)を無施術群、ミスト施術群、帯電微粒子水施術群の3群に 分けて施術を行い、
1)バリア機能の定量評価
2)細胞間脂質の定量評価
3)細胞間脂質生成に関わる遺伝子発現
の評価を実施しました。

※3    三次元表皮モデル:ヒト正常表皮細胞を重層培養した組織モデルで、ヒトの組織に極めて近い構造をしているため、動物実験の代替法として、医薬品や化粧品の研究開発などに用いられます。

■ 検証結果

帯電微粒子水を含んだスチームを三次元表皮モデルに施術することで、
(1)三次元表皮モデルのバリア機能が有意に改善することを確認
(2)セラミドT(※4)や遊離脂肪酸などの細胞間脂質量の増加を確認
(3)セラミド生成経路に関わる遺伝子の発現増加傾向を確認
(4)遺伝子の網羅的解析で、セラミド合成系遺伝子の全般的な発現増加傾向を確認

以上の検証結果から、セラミドに代表される細胞間脂質の生成・分泌を促し、肌バリア機能を改善 することを確認しました。

※4    セラミドT:人の角質層に存在するセラミド7種類のうちの1種で、最も優れたバリア機能を有しています。

皮膚の構造〉 皮膚の構造イメージ画像
  皮膚は最外層から、角質層、表皮(顆粒層、有棘層、基底層)、真皮から構成され、角質層は皮膚の水分 蒸散を抑えて乾燥を防ぐバリア機能を有しています。
顆粒層にある脂質が角質層に分泌されて細胞間脂質となり、バリア機能を高めます。
角質層内の細胞間脂質のうち約50%がセラミドであり、バリア機能においてセラミドが主要な役割を担っています。

■ 検証結果


(1) 三次元表皮モデルのバリア機能が有意に改善することを確認
【試験概要】
  水分蒸散計(アサヒバイオメッド製 AS-CT1)で、施術前と施術3時間後の三次元表皮 モデル(J-TEC社製)の水分蒸散量(※5)を測定して比較。
  施術条件: 1)無施術群、2)ミスト施術群、3)帯電微粒子水施術群の3条件
    無施術群には、施術を行わずに10分間放置しました。
    ミスト施術群には、三次元表皮モデルに対してスチームの噴霧を10分間行いました。
    帯電微粒子水施術群には、三次元表皮モデルに対してコロナ放電で発生したマイナスイオンを帯電させたスチームの噴霧を10分間行いました。
  測定数: 各施術条件とも三次元表皮モデルを3ウェルずつ使用。
【結果】
    帯電微粒子水を含んだスチームを施術することにより、三次元表皮モデルのバリア機能が有意に改善しています。 施術3時間後における水分蒸散量の変化
※5    水分蒸散量:皮膚から水分が蒸散する量を表し、この値が低い程、バリア機能に優れて肌が乾燥しにくいことを意味します。
   
(2) セラミドTや遊離脂肪酸などの細胞間脂質量の増加を確認
【試験概要】
  バリア機能評価に用いた三次元表皮モデル(各条件で施術3時間経過したもの)の細胞間脂質量を定量しました。
  細胞間脂質の定量: 薄層クロマトグラフィー法
  測定数: 各条件とも三次元表皮モデルを3ウェルずつ使用。
【結果】
    帯電微粒子水を含んだスチームを施術することにより、三次元表皮モデル中のセラミドTやFFA (遊離脂肪酸)、Chol(コレステロール)といった細胞間脂質が増加しています。 施術3時間後における水分蒸散量の変化
     
(3) セラミド生成経路に関わる遺伝子の発現増加傾向を確認
【試験概要】
  三次元表皮モデルに各施術条件で施術を行い、施術5時間後に発現した遺伝子を抽出し、Real Time PCR(※6)にて遺伝子の発現量を評価しました。 表皮細胞における脂質代謝経路(※7)に関わる遺伝子全体の中から代表的な10遺伝子を選び、解析しました。
  施術条件: 1)無施術群、2)ミスト施術群、3)帯電微粒子水施術群の3条件
    無施術群には、施術を行わずに10分間放置しました。
    ミスト施術群には、三次元表皮モデルに対してスチームの噴霧を10分間行いました。
    帯電微粒子水施術群には、三次元表皮モデルに対してコロナ放電で発生したマイナス
イオンを帯電させたスチームの噴霧を10分間行いました。
  測定数: 各条件とも三次元表皮モデルを3ウェルずつ使用。
【結果】
    帯電微粒子水を含んだスチームを施術することにより、細胞内への脂質の取り込み、細胞内でのセラミド合成、ラメラボディー(※8)の分泌、角質層でのセラミド生成など、セラミド生成経路に関わる一連の遺伝子発現量が増加しています。 施術3時間後における水分蒸散量の変化
※APOE 脂質の運搬に関わる遺伝子
※CD36 脂質受容体遺伝子
※SCARB1 コレステロールの取り込みに関わる遺伝子
※UGCG 表皮細胞内で脂質(セラミドの前駆体)合成に関わる遺伝子
※HMGCR コレステロールの合成に関わる遺伝子
※AGPAT1 リン脂質(細胞膜構成分子)の合成に関わる遺伝子
※ACACA 脂質の合成に関わる遺伝子
※ABCA12 角質層への脂質分泌に関わる遺伝子
※GBA、SMPD1 角質層でのセラミド生成に関わる遺伝子
※6    Real Time PCR:DNAを測定する手法。 対象となるDNAを増幅させ、その経時変化をモニターすることで定量的解析を 行う手法です。
※7    セラミドやコレステロール、遊離脂肪酸などの細胞間脂質を合成、分泌することに関わる脂質代謝経路です。
※8    表皮の顆粒層にある脂質を多く含有する細胞内小器官。 ここにセラミドに代表される細胞間脂質の 前躯体や角質層で働く酵素などが含まれています。
   
(4) 遺伝子の網羅的解析で、セラミド合成系遺伝子の全般的な発現増加傾向を確認
【試験概要】
  三次元表皮モデルに各施術条件で施術を行い、施術5時間後に発現した遺伝子を 抽出し、マイクロアレイ(※9)(Agilent社製)を用いてヒトの遺伝子のほぼすべて(約4万種類) の発現量を網羅的に解析しました。
  マイクロアレイの解析
【結果】
    帯電微粒子水を含んだスチームを施術することにより、セラミド合成系に関わる遺伝子の発現量が全般的に増加していることが、ヒトの遺伝子ほとんどすべてを網羅した解析から明らかになりました。(※10)
    顆粒細胞の分化をコントロールし、角質層のターンオーバーを促すリポオキシゲナーゼの発現が顕著に増加することが新たにわかりました。
※9    マイクロアレイ:ガラスやシリコン製の小基盤上にDNA分子を高密度に配置したもの。 マイクロアレイを用いると数千から数万種といった規模の遺伝子発現を同時に観察することができます。
※10    無施術に対して、帯電微粒子水を含んだスチームを施術することで発現が増えた遺伝子は、グラフの 原点を通る黒い線よりも上側にプロットされています。 赤い点はセラミド合成に関わる遺伝子を示し ています。 上側の赤い線は、無施術に対して遺伝子の発現量が2倍増加したことを、また下側の赤 い線は1/2に減少したことを意味しています。


■ 甲南大学 西方教授のコメント

検証結果より、帯電微粒子水を含んだスチームを継続して使用することで、肌のバリア機能 が向上し、乾燥肌の改善が期待されます。

■ 西方敬人先生の経歴

   
1)  西方敬人(にしかた たかひと): 甲南大学フロンティアサイエンス学部 教授
2) 略歴
1984年 京都大学理学部卒業、1989年 京都大学大学院理学研究科動物学専攻
(博士後期課程)終了、同年 日本学術振興会特別奨励研究員(PD)、1991年 甲南大学
理学部生物学科講師就任後、助教授、甲南大学理工学部教授を経て、2009年   甲南
大学フロンティアサイエンス学部生命化学科教授
3) 専門: 分子細胞発生学
4) 所属学会: 日本分子生物学会、日本RNA学会、国際発生生物学会、日本動物学会、 日本発生生物学会
以上

■ お問い合わせ先

パナソニック電工(株) 電器R&Dセンター
TEL 06-6908-1131(大代表) 受付(平日のみ) 8:45〜17:30