「照明が睡眠関連ホルモン分泌に与える影響を検証」照明シンポジウムで発表

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ニュースリリース2009年

2009年8月26日
照明の色温度(※1)が睡眠関連ホルモン分泌に与える影響を検証
「第2回 日・中・韓照明シンポジウム」(北海道札幌市)で発表します

 パナソニック電工株式会社は、照明光がヒトの睡眠、サーカディアンリズム(※2)に及ぼす影響について、九州大学の安河内 朗教授らと共同で検証を進めています。
 今回当社は、その検証結果について「我々は暗い夜を楽しむべきか?〜エコと健康のための照明提案〜」をテーマに、8月28日北海道工業大学(北海道札幌市)で開催される第2回日・中・韓照明シンポジウムにて口頭発表します。最新の知見や当社の研究、および九州大学 安河内朗教授らとの共同研究により得られた照明の色温度(波長)が睡眠関連ホルモン分泌に与える影響などの具体的データを交えた発表を予定。
 このシンポジウムは、日本・中国・韓国の照明学会が共同で開催するもの。昨年10月北京で第1回が開催されたことに続き、第2回目の今年は日本を舞台に開催されます。(すべて英語での発表)

※1:色温度とは、光の色味の尺度であり単位K(ケルビン)で表す。
※2:サーカディアンリズムとは、ヒトのもつ約24時間周期の生体リズムのこと。

■ 当社の発表概要

SHOULD WE ENJOY THE DARKNESS?
A proposal of lighting for eco and well-being
(我々は暗い夜を楽しむべきか? エコと健康のための照明提案)

 日本の夜の屋内照明環境は、欧米と比べて明るいと言われています。このことはエネルギー消費の面でも問題でありますが、それに加え、現代社会における不眠や生体リズム異常とも関連しているかもしれません。

 夜間の光は覚醒度を上昇させ、100 lx(ルクス)以下の光であっても夜間のメラトニン(睡眠関連ホルモン)の分泌を抑制します。一方で、視認性の確保を考慮すると照明を完全に排除することは非現実的です。このようなジレンマを解消するカギが光源の波長デザインであり、近年発見された生物時計機構への作用波長特性を考慮し、その波長構成を工夫し色温度を変化させることで、視認性を確保しつつ睡眠への悪影響を低減させることができます。

 したがって、健全な睡眠や生体リズムのためには、不必要に明るい照明を排除しつつ視認性と雰囲気そして生物時計機構への作用の良いバランスを取るための波長構成を検討することが急務です。その実現においては、LEDや有機ELといった新光源も大きな役割を果たすでしょう。これが21世紀における「エコと健康(well-being)実現のための照明」のあるべきコンセプトであり、照明産業界の大きな発展につながるでしょう。

■ 今後の展開

光がヒトの睡眠や生体リズムへ及ぼす作用を考慮し、エコと健康を両立させるための次世代照明の研究開発に取り組んでいきます。

■ 検証内容と方法

 夜間、照明の色温度の異なる空間に一定時間滞在した場合のメラトニン分泌量を、唾液中のその濃度から定量評価しました。

 
【色温度】
    光の色味の尺度であり単位K(ケルビン)で表す。
例えばろうそくは2000K程度、電球や電球色蛍光灯は2800K〜3000K、昼白色蛍光灯は5000K。
   
【メラトニン】
  脳にある松果体において生成されるホルモンであり、その分泌は体内時計機構により調整されている。血中におけるメラトニン濃度は深夜にピークを向かえ、睡眠の維持などと関連していると言われています。

■ 検証結果

(1) 顔面照度200 lxの照明空間に1.5時間滞在した際、色温度の低下とともにメラトニンが分泌されやすくなることを確認。
 
  【テスト方法】
 
被験者:健康な男子大学生および大学院生12名
午前1時から2時30分まで実験条件下に滞在
照明曝露(暗黒条件含む)中はビデオを視聴
照明曝露前後に唾液を採取し、ELISA法により唾液中メラトニン濃度を算出、その増加量を求めた
   
(2) 顔面照度100 lxの照明空間に毎晩1時間、2週間継続して滞在した際、色温度3000K(電球色)と比べ、色温度2300Kの照明環境においてメラトニンが分泌されやすくなることを確認。
 
  【テスト方法】
 
被験者:健康な男性5名
午後11時30分から午前12時30分まで実験条件下に滞在。
2週間同一条件を継続
照明曝露中はテレビを視聴
午後10時から午前12時30分までの30分毎に唾液を採取し、ELISA法により唾液中メラトニン濃度を算出、その平均値を求めた

《ご参考》

九州大学大学院 芸術工学研究院 安河内 朗 教授

 
<略歴>
1979年 九州芸術工科大学大学院修士課程修了、同大学助手、
1982 - 1990年   労働省産業医学総合研究所研究官を経て、主任研究官、
1990 - 2003年 九州芸術工科大学助教授を経て、教授(99年) 生理人類学を担当
ケンブリッジ大学チャーチルカレッジ 海外フェロー(02年) 
2003年 九州大学との統合により 芸術工学研究院教授
2005年 九州大学大学院 芸術工学研究院長 九州大学 副学長を兼任(08年) 
2009年 九州大学大学院 芸術工学研究院 主幹教授

<所属学会>
日本生理人類学会、日本人類学会、日本人間工学会、人類働態学会
Society for the Study of Human Biology(英国)
Society for the Light Treatment & Biological Rhythms(米国)

以上

■ お問い合わせ先

パナソニック電工株式会社 照明事業本部 照明R&Dセンター
TEL 06-6908-1131(大代表) 受付(平日のみ) 8:45〜17:30
照明・電気設備のEboxサイト http://denko.panasonic.biz/Ebox/